希望退職のニュースが流れると必ず出てくる話題が「希望退職では優秀な人から辞めていく」というものです。
優秀な社員が突然希望退職を決意する背景には、多様な要因が絡み合っています。
この記事では、優秀な人が希望退職する理由について詳細に分析し、優秀な人々が転職を考える際の動機や、その選択がキャリアに与える影響についても掘り下げます。
優秀な人ほど希望退職で辞めていく?
なぜ優秀な人ほど辞めるのか?
「希望退職を募集すると、優秀な人から辞めていく」という説がありますが、筆者の周囲を見た限りではこの説は半分正解で半分間違いです。
優秀な人は希望退職がなくてもスッパリと辞めていきます。
辞めようかな?と悩んでいるときにたまたま希望退職の募集が発表されたら、真っ先に手をあげて辞めていきます。
希望退職は頻繁に募集されるものではないので、タイミング次第ですね。
優秀な人ほど、組織内での自らの成長が頭打ちと感じた場合や、企業の方針に対して不安を抱いた際にすぐさま退職を選択します。
これはスキルや経験に裏打ちされた自信からくる行動であり、他の組織においてもその価値が十分に認められるという確信があるためです。
また、優れた判断力と問題解決能力を持ち合わせているため、希望退職の募集があればそれを積極的に活用してスムーズにキャリアチェンジを図ります。
さらに、優秀な人は新しい挑戦を求める傾向が強く、職場環境や業務内容に対する不満が少しでも生じると、それが退職のきっかけになることもあります。
見切りが早い
優秀な人は、高い自尊心と先見性を持ち合わせており、自らが置かれている環境に対しての評価を迅速に行います。
また、問題や課題を真正面から捉える力を持つため、速やかに解決に向けて行動を移す傾向があります。
企業の方針や未来に対するビジョンが明確でない場合や、組織内の問題に対する対応が遅い場合に退職を考える要因となります。
また、こうした人々はスキルの成長やキャリアの発展を常に考えている場合が多く、それが頭打ちになる兆候を感じ取った際に見切りをつけやすくなります。
彼らが早い段階で決断を下すことは、自身の価値をより高めるための必要なプロセスと認識しているため、その行動は非常に理にかなっているといえるでしょう。
優秀な人ほど転職しやすい
優秀な人は高度なスキルと豊富な経験によって、自らの市場価値を正確に理解しています。
このような人材は、会社を選ぶ際にも積極的に情報収集を行い、転職活動においても戦略的に動くことができます。
これは彼らが持つ優れた人間関係構築力や交渉力にも起因しています。
さらに、企業側も優秀な人材を採用することで、直接的な組織力の強化や、新たなイノベーションが生まれる可能性を期待しています。
そのため、彼らを高待遇で迎えるための制度や優遇措置を用意する企業は少なくありません。
また、キャリアの向上を求める彼らにとって、退職は次なるステップへの自然な流れと捉えられているため、転職という選択肢を選びやすいのです。
希望退職の対象になる人、引き止められる人
希望退職に応募できる人はどんな人?
希望退職の応募には、特定の条件が適用される場合があります。
よくある条件としては下記のようなものがあります。
希望退職のよくある条件
- 〇〇事業部に所属する正社員
- 〇月〇日時点で満45歳以上の正社員
- 勤続年数〇年以上、かつ45歳以上の正社員 など
特定の業種や役職に就いている人については対象外とする場合が多くあります。
優秀なスキルを持ち、組織において重要な役割を担っていると認識されている人材を積極的に留め置くための措置です。
また、希望退職の実施時期や全体の人員バランスを考慮した上で、特定の職種や部門が業務上欠かせない存在である場合は対象外にすることがあります。
さらに、契約上の義務や既存のプロジェクトへの参加が確約されている場合も応募が制限されることがあるため、これらの背景に基づく制限事項を理解しておくことが重要です。
希望退職のターゲットになりやすい人
希望退職とはいいつつも、その裏で本人の意思に反して退職を勧められる場合もあります。
退職を勧められるターゲットになりやすい人には特徴があります。
希望退職の対象になりやすい人
- 遅刻や欠勤など、勤務態度が悪い
- 給与と能力、成果のバランスが悪い
- 今後の成長が見込めない
- 周囲の評判が悪い、悪影響を与える
- もともと異動や退職を希望している
- 定年間近な社員
一般的に、業務における成果が期待以下であったり、企業の目指す方向性と個人の価値観やビジョンが合致しない場合、面談で退職を勧められる可能性が高まります。
組織の再編や経営方針の転換期において、人員を最適化する目的で施行されることも多いため、直近数年の人材評価が結果に大きく影響します。
また、組織内でのスキルアップやキャリアの成長が進んでいない場合も、退職の対象となる可能性があります。
定年まで現状維持で会社に居座りたいと思う人ほど、対象になりやすいです。
優秀な人は引き止められる場合もある
優秀なスキルや知識を持つ人材は、企業の競争力を維持する上で重要な要素なので、引き止められることがあります。
例えば、給与や待遇の見直し、仕事内容やポジションの変更、さらには社内でのキャリアアップの道筋を提示するなど、さまざまな方法で優秀な人材を引き止めるケースがあります。
特定のプロジェクトを率先して進めている場合や、独自のネットワークを持つ人材は、引き止めの対象とされやすいです。
会社に期待されているので、今の会社で頑張れる気持ちがあるなら残って活躍するのもアリです。
しかし、一度退職を決意してしまうと、どんどん会社の嫌なところが目に付いて、残っても今までと同じようなパフォーマンスを出すことができない場合もあるでしょう。
希望退職という名のリストラを行う会社の将来に不安を感じたり、他にやりたいことが仕事があって転職に心が傾いている場合もあるでしょう。
そういう場合は、どんなに強く上司から慰留されようとも希望退職制度のチャンスを逃さずに応募すべきと思います。
退職引き止めは違法?
一般的には、従業員が退職の意思を明確に示した場合、企業がそれに対して無理に引き止めることは違法とされています。
従業員と企業の間には、雇用契約という形で関係が成り立っていますが、退職の自由も労働者の権利として認められています。
そのため、引き止めのために過度な圧力をかけることや、心理的な脅迫と捉えられる行為を行うと、権利の侵害に該当する可能性が高くなります。
一方で、従業員のスキルや業績が極めて重要な場合、双方の同意のもとで、条件を見直すような行為は法的に問題とはされません。
同意がなく一方的な引き止めになれば、訴訟などに発展する可能性もあります。
少しでも不安がある場合は、面談をスマホやICレコーダーで録音するなど、自衛するようにしましょう。
優秀な人が辞める職場の実態
優秀な人が去っていく理由
優秀な人材が抱く不満としては、キャリアの成長が感じられない、または専門性を生かせない環境が代表的です。
働き方が古いまま固定されていたり、変化に対応できない環境は、新しいアイデアや技術を取り入れづらく、優秀な人にとって魅力が減少する要因になります。
また、成果や努力が正当に評価されない状況も、モチベーションが低下しを招く原因となります。
職場環境が良好な場合は、多少の不満があっても辞めていく人はあまりいません。
しかし、希望退職などのリストラ策を打ち出すと、社内の空気は一気に悪くなります。
会社の将来性、経営陣に対する不満、情報の不足、将来の不透明さが、優秀な人材を退職へと導くこともあります。
優秀な人が辞める時の職場への影響
職場から優秀な人が辞める際に組織が受ける影響は大きく、多岐に渡ります。
彼らが担っていたプロジェクトや業務が滞り、残ったメンバーの負担が増します。
加えて、優秀な人材が去ることで、企業内の問題点が浮き彫りになる場合もあります。
優秀な人が辞めれば辞めるほど、「あの人が辞めたくなるくらいヤバイ会社なんだ」という想いを残った社員は抱きます。
企業はこのショックを最小限に抑えるため、事前に想定した対策や適切なフォローを心掛け、組織の円滑な運営を維持する必要があります。
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希望退職などの人員削減が行われると、本当は辞めたくないのに退職を迫られることもあります。
希望退職や早期退職を持ちかけられるのは大抵40代や50代、一番お金が必要な世代です。
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