希望退職後に再就職を目指す場合、気になるのは「年収をどの程度維持できるか?」ですよね。
ネットで情報を調べてみると、「希望退職者の約8割が再就職後に年収が下がる」「管理職の場合は年収が下がりやすい」という意見もあり、不安を感じやすいと思います。
でもこの数字ってどこから来た数字なのでしょう?
転職サイトとかが不安を煽るために適当に出した数字じゃない?
というわけで、この記事では厚生労働省の統計を基に、転職後の賃金変動がどれだけあるかを解説し、さらに年収が下がった場合の家計防衛術についてもまとめています。
転職後の年収、本当に8割が下がる?データで検証
データで見る転職後の賃金変動

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」を見てみましょう。
この調査によると、全世代の平均で見ると前職の賃金に比べて転職後の賃金が「増加」した割合は 37.2%、「減少」した割合は 32.4%、「変わらない」の割合は 28.8%となっています。
希望退職のメインターゲットとなる50代後半以降は賃金が増えた割合は徐々に減っていきますが、「8割の人が年収ダウン」というほど悲惨な状況にはデータ上は見えません。

60歳までで見てみると、思ったよりも「賃金が減った」割合は世代間で変わりない結果に。
8割の人が年収ダウンとは一体なんだったのか?
大手企業から転職する場合は要注意!
希望退職という制度は、ある程度大きな企業が実施する場合が多いです。
大幅な年収ダウンを警戒しなければいけないのは、大手企業に勤めていた人でしょう。
大手企業で50代ともなれば、年功序列や役職などもあって年収1,000万円を超える人も少なくありません。
大手企業で年収1,000万円を超えていた人が、転職市場でそのまま1,000万円の価値ある人材と評価してもらえることは残念ながらほぼありません。
なぜ高収入層は年収が下がりやすい?
- 年功序列や役職手当など、社内制度により実力以上の年収になっている場合が多い
- 大手→中小企業への転職では、給与水準そのものが違う
- 転職市場では「マネジメント経験」は飽和状態
専門性が高い職種、例えばエンジニアやテクニカル職であれば、年収ダウン幅が比較的小さい傾向があります。
それでも市場価値をしっかり把握し、自分のスキルを的確にアピールすることが重要です。

「マネジメント能力があります」と述べるだけでは希少価値を示せません。
明確な業績や実績を基に転職活動を行うようにしましょう。
転職先の給与条件にこだわりすぎない
転職活動ではつい「今の年収を維持したい」と考えてしまいますが、こだわりすぎると選択肢が狭まってしまいます。
年収だけでなく「働きやすさ」も重要
- 福利厚生
- 働き方(在宅可・時短など)
- 企業文化
- 定年延長や再雇用制度
転職活動においては、単に給与だけでなく、福利厚生や企業文化、労働環境といった働きやすさの要素も重視すべきです。
年収減少が避けられない場合は、職場でのやりがいやライフスタイルのバランスを考慮することで、長期的に満足感を得られる転職につながります。
どうしても年収を維持したい場合には、休日に副業をしたり、希望退職でもらった退職金を元手に資産運用をすることも検討しましょう。
経済的不安を軽減する4つの方法
退職金をいかに活用するか
希望退職後の経済状況を安定させるためには、退職金の有効活用が重要です。
退職金は特に大型の資金であるため、無計画に使用してしまうと後悔につながる可能性があります。
まずは、家計の支出を見直し、固定費や生活費のバランスを把握しましょう。
その上で、退職金を住宅ローンの繰り上げ返済や老後資金に配分するなど、長期的な視点での計画を立てることが重要です。
金融知識を取り入れ、慎重な運用をすれば、不安を和らげることができます。
失業保険の利用と活用法
希望退職者は「会社都合退職」として失業保険を受け取ることが可能であり、失業期間中の生活費を支える大きな助けとなります。
失業保険の基本手当は、過去の給与水準と離職時の年齢を基準に計算され、条件を満たせば最長で330日間受給できます。
申請はハローワークで行います。
会社都合退職の場合は、離職票が届いて、ハローワークで求職の申し込みを行ったあと、7日間の待期期間満了後から給付が始まります。

最近、SNSなどで「退職給付で最大200万受け取りサポート」などの謳い文句で、グレーな方法で失業保険の受取をサポートする会社が出てきています。
高額な料金を払わなくても、会社都合退職ならハローワーク窓口で申請すれば問題なく失業保険を受け取れます。
騙されないように注意してください。
生活費削減のための工夫
希望退職後の経済的不安を軽減するためには、生活費を削減する工夫も大切です。
まず、家計簿をつけて支出の内訳を把握し、削減可能な項目を見つけましょう。
最初から完璧を目指すと挫折しやすいので、家計簿をつけるのは1~2ヶ月分で大丈夫です。
2ヶ月分もあれば、お金を使っている項目はなんとなく分かります。
よく言われることですが、通信費や保険料などの固定費は削減できると効果が大きいです。
また、趣味や娯楽にかかる費用も一時的に減らすことで、より経済的に安定した生活を送ることが可能です。
副業で新たな収入源をつくる
近年、副業を始めることで退職後の収入を補う人が増えています。
副業はスキルを活かせる仕事や趣味を収益化できる自由度があり、経済面だけでなく精神的な充実感も得られる可能性があります。
noteや Brainでスキルを販売したり、オンライン講師をしたり、自分の得意分野に基づいたサービス提供も選択肢の一つです。
希望退職で一時的に年収が下がるとしても、副業で不足分を補填できるようになることで、転職後の年収を維持できる可能性も期待できるでしょう。
まとめ:年収が下がるかよりも「どう備えるか」が大事
希望退職や早期退職後の年収については、極端な情報に惑わされず、公的データをもとに冷静に判断することが大切です。
たしかに、年収が下がる可能性はあります。
しかしそれを「人生の終わり」と捉えるのではなく、新しいスタートの準備期間として前向きに過ごすことで、家計面でも気持ちの面でも不安を軽減できます。
「収入が減ったらどうしよう」と悩むのは当然のこと。
だからこそ、退職金や失業保険の制度、副業などを活用しながら、現実的な備えと心の準備をしておくことが、希望退職後の安心につながります。
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