早期退職vs早期離職:本当の違いとメリットデメリットを徹底解説

早期退職関連

早期退職vs早期離職 制度・資金・転職市場で何が変わる?ミドル世代と若者世代の決定的な違い

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「定年前に会社を辞めること」という意味では早期離職も早期退職も一緒です。

しかし、制度としての早期退職(主に中高年)3年以内の早期離職(主に若年層)では、経済的なメリット、転職市場での評価、失業保険の扱いが大きく異なります。

この記事では「制度としての早期退職」と「3年以内の早期離職」の違いと、それぞれのメリットデメリットについて解説していきます。

定義と対象者:ミドル層と若年層の決定的な違い

早期退職の定義

「早期退職」とは、選択定年制度や希望退職制度など、会社が用意した制度を利用して退職することです。
多くの場合、40代以上のミドル・シニア層を対象に実施されます。

企業が人員削減や組織再編の一環として希望退職を募る場合、退職金の上乗せや再就職支援などが付与される場合が多いです。

早期離職の定義

一方、「早期離職」は、新卒採用や中途採用で入社した社員が短期間、通常は3年以内に退職することを指します。
ミスマッチや人間関係の不安、待遇への不満が原因であることが多く、主に若年層に見られる傾向です。

統計データを見ると、新入社員の3人に1人が入社3年以内に離職しているという深刻な事態が浮き彫りになっています。
特に小規模企業や飲食・サービス業で離職率が高い傾向にあります。

早期退職と早期離職の主な理由

早期退職の理由

早期退職制度は、一般的に40代以降のミドル・シニア世代を対象としています。
事業閉鎖などの大規模な構造改革を行う時は20代の若手社員も対象になることがあります。

  • 福利厚生の一環としての早期退職(選択定年制度)
  • 希望退職や退職勧奨などの企業から切り出される早期退職

特に最近では、「一生ヒラ社員でよい」というような社員に対して、企業が早期退職を促す動きが増えています。
一昔前のような「大企業に入れば一生安泰」という状態ではなくなってきています。

早期離職の理由

早期離職の理由は、新卒や中途入社から間もない頃に特有の問題も関わっています。

若手社員が不満を抱きやすいポイント

  • 職場環境や業務内容のミスマッチ
  • 入社前に期待していた社会人生活とのギャップ
  • 職場の人間関係
  • 研修や教育制度が不十分
  • 給与や福利厚生への不満
  • 将来のキャリアパスの不透明さ

特に若年層にとっては、将来の成長や発展が見えない職場で働くことに対する不満が高いです。
近年の新入社員は、以前の世代と比べてワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。
待遇や働きやすさを求める一方で、企業理念や事業の将来性への期待は低くなっているのが実情です。

早期退職のメリットとデメリット

早期退職のメリット

  • 労働環境や時間に対する不満からの解放
  • 新しいキャリアをスタートできる
  • 割増退職金や再就職支援を受けれる
  • 希望退職、退職勧奨ならば会社都合退職となり失業保険の受給額が増える

早期退職のデメリット

  • 経済的不安を抱えやすい
  • 社会的に孤立しやすい
  • 将来の年金受給額の減少
  • 健康保険などの負担増
  • 再就職の難しさ

早期退職のメリットは通常の退職金にプラスした上乗せ退職金をもらえることです。
貰える額は企業や年齢によって変わりますが、大手企業ならば1,000万円以上の上乗せもよくあります。

注意したいのは、恒常的に運用している早期退職制度を利用した退職です。
希望退職や退職勧奨は会社から退職を働きかけるため会社都合になりますが、恒常的に運用している早期退職は社員側から働きかけて利用する制度のため自己都合扱いとなります。

早期退職=会社都合退職と思い込んでいて、離職票の退職事由欄やハローワークの窓口で驚くパターン、結構あります。

   

早期離職のメリットとデメリット

早期離職のメリット

  • 労働環境や時間に対する不満からの解放
  • 新しいキャリアパスを模索できる
  • 若ければ求人がたくさんある

早期離職のデメリット

  • すぐ辞める印象を持たれる
  • マナー研修、ビジネス研修など、新卒向け教育を受けられない
  • 実力が求められる
  • 経済的リスクがある
  • 1年未満での退職の場合、失業保険を受けられない

早期離職の場合は職場に対する不満やストレスから早々に開放されることが最大のメリットでしょう。

特に労働環境が劣悪なブラック企業に入ってしまった場合は、抜け出せなくなる前に見切りをつけて辞めることは問題ありません。
新しい会社で笑い話にでもして昇華してしまいましょう。

短期離職は注意が必要!

一度や二度の転職ならば今時珍しくなくなってきました。
しかし、1~2年の短い期間に何度も退職・転職をしているのはあまり良い印象を抱かれません。

また、中途採用は基本的には能力が求められます。
新卒時に受けるようなビジネスマナーは知っていて当然となるので、転職後に教育研修を受けることもありません。

失業保険を受給できない場合がある

案外気づきにくい点として、失業保険の受給資格があります。
退職後に失業手当を受給するには、「離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上」あることが条件になります。

もし1年未満で退職する場合はこの受給資格に満たないため、退職後に失業手当をもらえません。

 

まとめ:辞める前に「立ち止まって考える」重要性

早期退職も早期離職も、「辞めたい」という気持ちが先行しすぎると、退職後に後悔する可能性があります。
ブラック企業なら即辞めるべきですが、「自分に合わない」だけでは辞めるには早い場合も。

起業などのリスクを負わずにお金を稼げるのが会社員のメリットです。
そのメリットを受けるためには、自分から会社を理解していくことが必要です。
「自分が頑張れる会社」かどうか、それを見極めるのは数か月や1年では難しいと思います。

辞めたいと思ったら、一度立ち止まって、会社を他人の目線で見てみてください。
相談できる相手がいれば、ぜひ話をしてみましょう。

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やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

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