早期退職した理由とその後 4人の実例を紹介 早期退職の決断に必要なステップ

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早期退職のその後は?退職を選んだ4人の決断理由とリアル実例を紹介|早期退職の決断に必要なステップ

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やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

「このまま会社に残って大丈夫なのか…」
「早期退職って、その後どうなるの?」


希望退職が公示された時、早期退職のパッケージ説明があった時、応募するべきかこのまま会社に残るべきか、悩みますよね。
特に家族がいる場合や定年に近い場合は、今後の生活のこともあるので悩みも大きいと思います。

早期退職を決断する際、実例を通じてその背景を知ることは今後のキャリア選択の参考になるでしょう。

本記事では、筆者の周りにいた早期退職者の事例を紹介し、その根底にある思いや動機について紹介していきます。

早期退職、その後どうなった?4人の実例と決断理由

地元で農業、第二の人生へ!Tさん

Tさんは筆者が入社したころにいた課長さんでした。
Tさんは中途採用で、前職はアメリカの国家機関という、思わず耳を疑うスーパーな人でした。
そんなTさんが日本に戻ってきて、わざわざ当時某電機メーカーの子会社に転職してきた理由は単純明快。
「実家の近くに会社があったから」

しかしそんな優秀なTさんを地方工場の間接部門に配置するのは惜しいと思った会社は、Tさんを東京本社の配属にしてしまいました。
当時のTさんは40代後半、仕方なしに東京本社で働いていました。

そしてリーマンショック後に希望退職が公示されたタイミングで、Tさんは早々に退職を表明。
会社側は引き止めましたが、地元に戻りたかったTさんの決意は固く、そのまま退職していきました。

その後のTさんは実家を継いで農業を営んでいます。
真っ黒に日焼けしてニコニコ笑顔の写真が何度か送られてきて、幸せそうな姿に社員一同ほっこりしました。

本社配属でなければ定年まで勤めてもらえたかもしれないのに、会社はもったいないことをしたなと思います。

POINT!
「やりたいことを実現するために退職する」という選択は、前向きな決断。
希望退職が実施された時にまっさきに手を挙げてくれるのが、このタイプの人たち。

    

退職金も手当も活用、スローライフ満喫!Kさん

Kさんは筆者が入社したころは開発部の課長さんでした。
新技術開発をメインで行い、いくつかの商品化を経て最終的に開発部の部長になりました。
普段からキッチリとしていて厳しい人でしたが、私生活では奥さんと二人、子供なしの仲良し夫婦でした。

そんなKさんは55歳になった早々に早期定年退職で退職しました。
子どもがいなかったので老後資金に余裕があったこと、早めに引退してスローライフを楽しみたいことが理由です。

退職後はハローワークの職業訓練で造園業や植栽の講座を受講して、教育訓練給付金を受給しながら基本手当を受給して、キッチリともらえるものは全部もらったそうです。

ちなみに造園や植栽の講座を選んだ理由は、「自宅の庭の手入れに役立つから」。

職業訓練受講中は、失業手当をもらうために必要な求職活動実績が無くても失業保険の基本手当の支給対象となります。
そこまで調べつくしたKさんの凄さに、社員一同脱帽しました。

失業保険ももらいつくした後は、特に働くこともなく、移住先の新居の庭の手入れをしたり、たまに会社時代の釣り仲間と釣りをしたりして楽しく暮らしているようです。

POINT!
老後資産に余裕があるなら、早期定年退職は魅力的な選択肢。
社会的な孤独を感じないように、適度にアルバイトしたり、趣味の仲間と遊ぶのがオススメ。

   
  

人事に一矢報いた!?Fさんのお茶目な仕返し

Fさんはもうあと2~3年で定年退職というベテラン技術者でした。
筆者とは部署が違いましたが、人当たりの良いユーモアのあるおじさんです。

そんなFさんは、コロナ禍の時に50代以上の管理職を対象とした希望退職の対象になりました。
希望退職といいつつも、対象となる人には面談が設定されて退職を促される実質的には退職勧奨です。
Fさんは面談後、「辞めてほしいのは分かるけど、やり方が卑怯だよな!」とプリプリしていました。

その後、家族とも話し合って、かなり早い段階で退職に応じる気持ちになったFさん。
でもそのまま退職に応じるのはなんか癪に障った(本人談)ので、退職する意思があることは隠してそのまま何度も面談を重ね、常にのらりくらりとやり過ごします。

募集期間の2か月ほどを「この人辞めるの?!辞めないの?!どっちなの?!」と人事をヤキモキさせて、応募最終日にあっさりと応募書類を提出して退職を表明。
「本当は早い段階で退職する気だった」とカミングアウトして、人事に「あの面談に使った時間はなんだったの?!」と悔しがらせることに成功して、高笑いして辞めていきました。

恐れるものは何もないFさんに、人事アレルギーな社員みんなで大笑いでした。

POINT!
退職に応じる決心がついたのならば、気持ちを切り替えることが重要。

   

やり方を間違えると…Sさんの残念な退職例

Sさんは筆者が入社時から開発部にいたベテラン技術者です。
50歳を過ぎたあたりから開発業務からは退いて、開発部の人材開発や在庫管理などのバックオフィス業務をするようになりました。
そんなSさんも、コロナ禍の時の50歳以上の管理職を対象とした希望退職の対象になりました。

Sさんは真面目な人ですが、バックオフィス系の業務は人余り状態だったため、面談ではかなり強く退職の圧力をかけられたそうです。
50代前半ということ、お子さんがまだ小学生ということで、Sさんも強く抵抗しましたが、最終的には退職に応じることになりました。

そして最終出社日、Sさんは退職の挨拶回りでも「本当は辞めたくない」「人事に無理矢理辞めさせられる」と毒を吐き続け、さらに退職のあいさつメールでも「本当は辞めたくなかったけど、辞めさせられました」と書いて全社員に送信して辞めていきました。
人事や上長から注意されたという話は聞きませんでしたが、不満をぶちまけ過ぎな内容に、受け取った社員一同ドキドキしました。

立つ鳥跡を濁しまくりなSさん。退職メールでかなり評判を落としてしまいました。

POINT!
辞め方が悪いと、他社で採用されるときの前職調査で悪い評価を伝えられる可能性もあります。
リベンジ退職のような、後味の悪い辞め方はしないようにしましょう。


早期退職を考える際のステップ

意思決定のために必要な情報整理

  • 自分の気持ちを整理
  • 会社の今後を情報収集
  • 残った後の未来を想像してみる
  • 辞めた後の生活をシミュレーション
  • 信頼できる人に相談する

まずは自分が何を大切にしたいのか、どのような人生を送りたいのかを考えてみましょう。
同時に、会社の状況や、退職後の生活費や資産運用の計画など、数字で判断できる情報収集も行います。

これにより、具体的で実現可能なプランを描きやすくなり、早期退職をより自分らしい選択とすることができるでしょう。

早期退職決断時に必要な情報

  • 退職金の詳細な条件
  • 再就職支援制度の内容
  • ミドル世代の転職市場の動向、転職難易度
  • 現在の資産状況
  • 退職後の生活費の試算
  • 公的支援の内容
  • 会社の将来性

   

教育費や生活費を考える

早期退職を考える際には、退職後の教育費や生活費をきちんと計画することが重要です。

特に子供の教育にかかる費用は家計に大きな影響を与える
ため、綿密な計画が求められます。
大学など高等教育に進む子供がいる場合、その費用は大きくなりがちです。

また、生活費については、退職後の収入がどの程度になるのかを考慮に入れ、現役時代と同じ生活水準を維持できるか、あるいはその水準を調整する必要があるかをしっかりと検討する必要があります。

マネープランはFPに相談するのがオススメ

   

資産運用と退職後の収入計画

資産運用と退職後の収入計画は、早期退職を考える上で非常に重要です。

将来的に物価が上がっていくことを考えると、退職金をそのまま預金するのはオススメしません。

資産運用をして「お金に働いてもらう」状況を作りましょう。
何に投資してよいかわからない場合は、専門家に相談した方が良いです。

また、再就職や副業、フリーランスなど多様な働き方を視野に入れることで、収入面のリスクを軽減する方法も検討に価します。

早期退職を選択する際は、これらの経済的側面を踏まえ、安心して第二の人生を歩むための収入計画を立てることが大切です。

心理的な側面と対応法

不安や葛藤にどう向き合うか

早期退職という大きな決断を迎える際、多くの人は不安や葛藤に直面します。
この不安は主に経済的な不確実性や、再就職が難航する可能性からくるものです。

また、これまでの職場で築いてきた人間関係を失うことへの心配もあります。
そのため、この心理的なプレッシャーにどう対処するかが重要です。

一つの方法は、現実的な情報収集を行い、合理的な判断材料を増やすことです。
特に、数字として具体的に捉えることができる情報が多いほど不安感は払拭されます。
例えば、退職金の詳細な条件や、再就職支援の制度について理解を深めることで、漠然とした不安を具体的な計画に置き換えることができます。

さらに、家族や友人に相談して感情を共有することも心の支えとなるでしょう。
また、転職市場の現状についても確認し、50代での再就職の難易度を理解することで、より現実的な将来設計を行うことが可能になります。

早期退職後の再就職について

  

自分らしさを見つける

早期退職は自分自身の価値観や生き方を再評価する絶好の機会と捉えることができます。

これまでの職業人生では、会社の価値観やビジョンに従って行動してきたかもしれませんが、退職後は自分独自の価値観に基づいて次のステップを考えることができます。
これまでの経験を棚卸しし、自分の得意分野や興味を掘り下げることが大切です。

例えば、自らの専門性を活かし新しい分野にチャレンジすることで、新たなキャリアを築くことができます。
また、自分のペースで生活を組み立てることにより、ストレスの軽減や生活の満足度向上に繋がるかもしれません。

まとめ:笑顔で退職が理想

どんな理由で退職するとしても、退職するときには笑顔で感謝の気持ちを述べて辞めていくようにした方が良いです。
最初の事例に出てきたSさんのように、毒を吐くだけ吐いて辞めていくのは本人も周りも不幸になります。

今時は退職者が数年後に出戻りできるアルムナイ採用も増えてきています。
最後の印象が悪いと、もしアルムナイ採用があったとしても選考にすら入れてもらえなくなります。
また、他社に再就職後に、前職に問い合わせをする際などにも気まずい思いをすることになります。

早期退職をすると決めたなら、そこからは次のステップに向けて気持ちをリセットしましょう。

もし、あなたが今後の働き方に不安を感じているなら、まずは「自分の市場価値を知る」ことが第一歩です。
不安を感じるのは、客観的な情報が少ないからこそ。

  • 希望勤務地に求人はどのくらいあるのか?
  • 自分の年齢・経歴で年収はどれくらい見込めるのか?

こういった「数字で見える情報」があるだけで、不安が少しずつ解消されていくはずです。

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📌筆者のリアル退職面談はこちら
 記事では書ききれなかった退職勧奨面談~退職までの感情の揺れを、noteで綴っています。
  ▶ note『理系母の退職勧奨記録』を読む


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