早期退職関連

早期退職・希望退職の対象は何歳から?実例紹介とジョブ型人事の影響考察

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やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

希望退職や早期退職のニュースが出ると、「自分も対象になるのか」とドキッとする人も多いのではないでしょうか。

実際のところ、何歳からが対象になるのか?
そして勤続年数の条件はどうなっているのか?

この記事では、実際の募集事例をもとに、年齢・勤続年数の傾向と、近年変化してきている背景について解説します。

早期退職制度の導入割合

2021年に東京商工リサーチが行った早期退職・セカンドキャリア制度の導入についての調査結果を基に解説します。
この調査では資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義して、計9,039社分の有効回答を得ています。

この調査によると、89.6%の企業では早期退職優遇制度やセカンドキャリア制度を「導入しておらず、今後導入の予定もない」となっています。
すでに「導入している」企業は349社(3.8%)、現在「導入を検討している」企業は591社(6.5%)となっています。

2021年 早期優遇退職制度、セカンドキャリア制度導入企業の割合
早期退職優遇・セカンドキャリア制度導入企業の割合
東京商工リサーチ調査結果を基に筆者作成)

つまり、早期退職・セカンドキャリア制度を取り入れているのはごく一部です。

とはいえ、上場企業など大規模な人員整理ではニュースに取り上げられることが多いため、身近に感じる機会も増えています。

 

早期退職の対象年齢は何歳から?

早期退職・セカンドキャリア制度の対象年齢は50才以上が全体の7割弱の66.5%となっています。
これは、退職後のセカンドキャリアや年金受給などを見越して設定されているケースが多いです。

一方で、外資系企業や製薬業界などでは、20代や30代も対象となることがあります。
ただし20代や30代も対象となるのは、事業の売却や撤退といった「部門閉鎖」が絡むケースがほとんどです。

早期退職優遇・セカンドキャリア制度の対象年齢
東京商工リサーチ調査結果を基に筆者作成)

 

募集年齢の実例

2024年に発表された希望退職の中から、募集年齢や条件の実例を紹介します。

2024年7月の段階で、対象年齢を30代からとしている企業は一社のみ。
やはり若手社員はこれからの会社をリードしていく存在なので、なかなか募集対象とはならないようです。

30代から対象となった例

Wismettacフーズ

 業務内容:輸入食品の卸売業
 従業員数:363名
 募集期間:2024年6月24日~7月12日
 募集人数:30名
 募集条件:アグリ事業本部に所属する34歳以上かつ勤続1年以上の社員

40代から対象となった例

オムロン

 業務内容:制御機器、ヘルスケア製品の製造
 従業員数:28,450名
 募集期間:2024年4月10日~5月31日
 募集人数:1,000名(最終的に1,206名応募)
 募集条件:7/20時点で勤続3年以上かつ40歳以上の正社員及びシニア社員

資生堂

 業務内容:化粧品国内大手
 従業員数:13,300名
 募集期間:2024年4月17日~5月8日
 募集人数:1,500名(最終的に1,477名応募)
 募集条件:45歳以上で勤続年数20年以上の社員

ティーガイア

 業務内容:携帯販売代理店最大手
 従業員数:4,237名
 募集期間:2024年7月1日~8月9日
 募集人数:200名
 募集条件:9/30時点で45歳以上かつ勤続5年以上の従業員(販売職除く)

その他企業の募集条件についてはコチラ

 

背景にあるのは「ジョブ型人事制度」への移行

これまで早期退職というと、「長年勤めてきた社員が対象」というイメージでした。
しかし、最近ではオムロンやティーガイアのように勤続3年や勤続5年でも希望退職の対象となる例が増えてきています。

ジョブ型人事制度は従来と何が違う?

近年、多くの企業が「メンバーシップ型」から「ジョブ型」への移行を進めています。

項目ジョブ型メンバーシップ型
基本原理仕事に人を付ける人に仕事を付ける
人員欠員補充・中途採用が中心新卒一括採用がメイン
昇進・昇格実績重視・年齢不問勤続年数・年齢を考慮
降級・降格頻繁に起こり得るほとんどなし
給与職務給
業務内容によって給与体系が変化
職能給
定期昇給など、年功的に上昇
雇用保障弱い高い

つまり、「この仕事が終われば、この人材も必要なくなる」という考え方が前提になっているのです。

  

ジョブ型が進むとどうなる?

✅ スキルのある人は“退職金長者”の可能性も

勤続3年や5年で45歳以上の社員ということは、中途採用した社員も対象ということです。
せっかく即戦力を期待して採用した人材をたった数年で手放すとは、戦略上どうなんだろう?とは思います。

ここで考えるべきは、最近はやりのジョブ型人事制度が「仕事に合う人材を採用」する制度だということです。
仕事がなくなればそのチームは解散、場合によってはメンバーは退職ということになります。

勤続年数の縛りが緩くなってきているのは、この先のジョブ型人事を見据えてのことでしょう

この流れが一般的になっていけば、人によっては定年までの間に複数回の早期退職を経験することもありえます。
すぐに転職先が見つかるようなスキルを持った人は、そのたびに退職金上乗せがもらえてキャリアアップ+資産形成の一石二鳥です。

⚠️ スキルがないと「ジリ貧」に

一方で、これといった専門性がないまま社内で年齢を重ねてきた場合、「仕事がなくなればチーム解散」→「ジョブがなくなれば雇用も終わり」という流れに巻き込まれやすくなります。

というのは、ジョブ型雇用では業務内容によって給料が決まるため、生産性の高い業務ほど高給となり、誰でもできるような業務は反対に給料が抑えられます。
また、○○の業務では課長だった人が、次の△△という業務では一般社員ということにもなり得ます。

私がいた会社でも、ジョブ型人事採用で中高年社員はほとんどの人がランク・給料が下げられました。

これまで通りの仕事の仕方を続けているだけの人は、会社がジョブ型に移行した際にリストラ候補になる可能性が高いです。

自分の仕事、客観的に評価できますか?

「いま自分がやっている仕事を、もし自分がいなくなったら誰が困るのか?」
この問いに即答できない場合は要注意です。

ジョブ型時代を生き抜くには:

  • 業務の中で効率化・改善を提案する
  • 他部署への提案力や巻き込み力を持つ
  • 自分のスキルを言語化・数値化してアピールする

こうした視点で日頃から仕事に向き合うことが必要です。

まとめ:「早期退職は年功者だけのもの」ではなくなってきた

希望退職や早期退職の対象は50歳以上とする企業が全体の66.5%です。
対象年齢は募集規模が大きくなると45歳以上や40歳以上などと緩和される傾向があります。

年齢の制限とともに気になるのは、勤続年数による縛りです。
これまでは新卒採用から何十年と働き続けてきた中高年が早期退職の対象となるパターンが多かったです。
しかし、最近では勤続5年以内でも対象となるような早期退職の募集例が出てきています。

「まだ自分には関係ない」と思っているうちに、対象年齢に達していた…なんてことも起こり得ます。
今からできる準備、少しずつ始めていきましょう。

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