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早期退職後、あえて非正規転職:ミドル世代が非正規になるメリットとデメリット

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希望退職や早期退職制度を導入する企業が増え、日本の終身雇用制度が崩れてきています。
そんななか、「あえて非正規転職」が注目を集めています。
ミドル世代、特に就職氷河期を経験した人にとって、非正規雇用というと悪いイメージを持つ場合も多いでしょう。
定年まで何十年とある若者の場合、正規雇用と非正規雇用で生涯賃金や定年後の厚生年金に大きな差が出ることは想像できます。
しかし、早期退職をしたミドル世代にとっては案外非正規雇用の方が合っているケースもあります。

この記事では、早期退職後にあえて派遣社員など非正規に転職することのメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。

「あえて非正規」という選択肢

ミドル世代があえて非正規雇用を目指す理由

ミドル世代が非正規雇用を選ぶ理由には、ワークライフバランスの実現、自己実現、将来の不安への対処などが挙げられます。

ミドル世代は就職氷河期の荒波をくぐって入社した世代です。
そのため、会社から辞めさせられないよう、正社員時代は会社のため組織のためにバリバリ働いていた人が多いです。
しかし、最近の若者が育児休暇で長期間休んだり、早期離職してプライベートを充実させつつ自分らしい働き方を実現させているのを頻繁に見かけるようになってきました。
その結果、ミドル世代でも「自分はこんなに頑張る必要はあるのか?」と疑問を持つ方が増えてきています。

一生懸命働いた結果、家族との時間を犠牲にし、ほとんど休むことなく会社に尽くしてきた。
でもそれがいつまで続けられるか?
体力も衰えてきていますし、このまま働き続けたら定年後に何も趣味がなく、ボーっと過ごすことになるかも…
このままがんばっても身体を壊すだけかも…

会社は在籍中は色々と保証してくれますが、退職後に病気になろうと破産しようと助けてはくれません。
それならば身体が動くうちにもっと自分のやりたいことをするべきでは?と考える人が徐々に増えてきています。


希望退職などのリストラをする企業も増え、定年まで働くことが難くなりつつある時代背景もあり、自己のスキルや経験を活かし、自分らしい働き方を模索するケースが増えています。

ミドル世代の定年後の仕事への意識

ダイヤ高齢社会研究財団の2017年「40 代・50 代正社員の退職・引退に向けた意識に関する調査」を見てみましょう。
この調査では、「家庭(家族)・親族」「自分の趣味・楽しみ」「収入を伴う仕事」「地域活動・ボランティア」の4要素について、60 歳以降の生活においてそれぞれがどの程度の比重(時間ではなく意識の上での重要度)を占めることを希望するかを尋ねています。
50 代男女の場合は既婚・独身の区別なく、60代前半までは生活のうちの4割程度を仕事に充てたいと希望している人が多いです。

そんな中、60代以降は仕事の比重をゼロ、つまり全く働きたくない人もいます。
60代以降は仕事をしたくない人の割合は年齢が若いほど高く、40代前半男性の約23%が早期に仕事から解放されることを望んでいます。
この割合の高さは、中間管理職として働くストレスから一刻も早く解放されたいという心の表れかもしれません。

 

非正規雇用のメリット・デメリット

非正規雇用とは

非正規雇用とは、企業や組織に正規雇用されず、非常勤やパート、派遣などの形態で働く雇用形態のことを指します。
現在の日本では、非正規労働者の数が増加しており、全労働者の約4割を占めるとされています。
非正規雇用は労働市場の柔軟性を高める一方で、収入の不安定さや社会保障制度の不備などの問題点も指摘されています。
それでもなお、早期退職後に非正規雇用を選ぶ理由として、柔軟な働き方や多様な職務経験が得られることなどが挙げられます。

非正規雇用のメリットとデメリット

メリット

  • 柔軟な働き方や時間の融通が利く
  • 勤務地の融通が利く
  • プライベートと仕事のバランスがとりやすい
  • IT系や金融系など、スキルや資格がある場合は報酬が高い
  • 大企業で働くこともできる
  • 気兼ねなく辞められる

デメリット

  • 雇用が不安定
  • 正社員に比べて社会保障が不十分
  • スキルが身に付きにくい
  • ボーナスがない、または少ない
  • リモート勤務に制限がある場合が多い
  • お盆や正月など、派遣先が休みだと実働日が減る = 給料が減る

 

非正規雇用の賃金や待遇は、正社員と比較して不利なケースが多いです。
しかし、一定のスキルや経験を持つ非正規労働者は、高い報酬を得る機会もあります。
金融業界や情報サービス業界、エンジニアなどでは、非正規雇用でも高待遇を受けられることがあります。

また、非正規雇用の場合は出社が基本という職種は多いです。
コロナ禍でも正社員はリモート勤務できても、派遣社員は出社しなければならないという企業は多くありました。
IT系などを除けば、まだまだ非正規雇用のリモート勤務は難しいのが現状です。

早期退職の背景と動機

早期退職の理由

早期退職の理由は個々の状況や価値観によって異なりますが、主な要因としては、職場でのストレスや仕事の過重負担、健康問題、家庭内の事情、そして新しい挑戦への意欲があります。
特に、近年では新型コロナウイルスの影響によって、働き方や生活スタイルに対する価値観の変化から早期退職を選ぶ人が増えてきました。

早期定年退職制度や希望退職制度に応募した場合、通常の退職金にプラスして割増退職金も受け取れます。
企業と年齢によっては数千万円規模の退職金を受け取れるため、定年前に退職することへの経済的不安も薄まります。

長年の勤務による疲労感から解放されたい、趣味や新しいライフスタイルを追求したい人にとって、早期退職は良い選択肢になります。

早期退職後の選択肢

早期退職後にどのように生活するかには
 ・他社で働く
 ・趣味に生きる
 ・起業する
 ・家族と過ごす時間を重視する
など、様々な選択肢があります。

いくら多額の退職金をもらったとしても、退職後の数十年でただ食いつぶしていくのでは不安にもなります。
自分から起業するのは精神的にも金銭的にもかなりのパワーが必要です。
かといって再度フルタイムで働くのは年齢的にも体力的にも厳しい、そういう人があえて非正規雇用を選ぶ傾向にあります。

従来のフルタイム勤務に縛られず、自分らしい生き方を追求できることが、非正規雇用の大きな魅力と言えるでしょう。

早期退職して資産に余裕があるならば、気楽に短時間パートやアルバイトをして過ごすはおススメです。
社会とのつながりができるので孤独感を感じにくいですし、給料をもらえる充実感もあります。

非正規雇用の今後

政府・企業の対応

近年、政府と企業の双方が非正規雇用に対する対応を強化しています。
特に、新型コロナウイルスの影響で多くの人々が職を失ったことから、雇用の安定性が重要視されるようになりました。
政府は、非正規労働者の労働条件を改善するために、さまざまな法改正や支援策を講じています。
例えば、最低賃金の引き上げや労働条件の法的整備などが挙げられます。

一方、企業も持続可能なビジネスモデルを構築するために、非正規労働者の待遇改善やキャリアパスの構築を行っています。
特に、大手企業では非正規労働者に対する研修プログラムやキャリアアップ支援が提供されるケースが増加しています。

社会保障の拡大

令和4年(2022年)10月からは、パートやアルバイトで働く方の社会保険の適用範囲が広がっています。

対象となるのは下記条件の人です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

 

非正規雇用で社会保険に加入するメリットは、健康保険料や厚生年金保険料を会社が半分負担してくれることです。
国民健康保険や国民年金では、保険料の全額を本人が負担します。
しかし、社会保険の健康保険や厚生年金保険の場合は、労使折半といって会社が保険料を半分負担してくれます。
特に厚生年金に加入すると、将来的にもらえる年金額が増えます。

一方、非正規雇用で社会保険に加入するデメリットは、手取りの収入が減ることです。
年収106万円の壁を若干超えたくらいの人が一番損をします。
例えば、年収108万円くらいの場合、社会保険料を引くと手取りは93万円ほどになります。
社会保険に加入せず毎月8万円前後分働いて年収96万円を得るほうが手取りが多くなるため、配偶者の扶養に入れるようなら働き方をセーブしたほうがお得です。

自分で社会保険に加入する場合は年収130万円以上を目指しましょう。

まとめ

早期退職後の新しい働き方を考える時には、金銭的メリットだけでなく、自らのキャリアの継続性や幸福感、そして充実感を重視することが重要です。
最近の状況を鑑みると、新型コロナウイルスの影響で労働市場が大きく変動し、非正規雇用もひとつの選択肢として再評価されています。

退職後、どんな人生を送りたいのか?現状で経済的な不安はないのか?を考えてみてください。
早め早めに資産形成をしておけば、退職金と合わせて老後の生活資金にも余裕が出ます。

早期退職後の新しい働き方を成功させるためには、まずは自らの目標や希望を明確にすることが必要です。
金銭的メリットだけでなく、心身の健康や長期的なキャリアの成長を考慮した選択を行ってください。

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