早期退職関連

希望退職の募集時期はいつが多い?過去3年の募集データから見るタイミングと傾向

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やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

筆者が希望退職に見せかけた退職勧奨をされたとき、「希望退職が募集される時期は連休前が多い」という記事を読みました。

確かに筆者も面談があったのは12月中旬で、「年末に暗い気分にさせないで…」となりました。

でも実際にデータを出している記事を見たことがなく、もやもやした記憶があります。

本記事では、2022年からの3年間の希望退職募集内容を基に、希望退職の募集時期や募集期間、退職までの日数をまとめてグラフ化し、解説していきます。

希望退職募集はいつが多い?

希望退職の公示時期はバラついている

まずは、企業が「希望退職を募集します」と発表した公示時期を見てみましょう。
調査対象:希望退職を実施した68件(2021年10月〜2024年9月)

過去3年間で実施された希望退職の公示時期 n=68

グラフから見えてきたのは、「年末〜年度末(11〜3月)」と「5月」に発表されるケースが多いということ。
思っていたよりもバラけている印象です。

  • 11月〜12月に公示が集中する理由
    社員が年末年始の休みに家族と相談できるから。
    企業側としても、十分に判断時間を与えることで混乱を避けられるという狙いがある
      
  • 5月に公示が多い理由
    企業の決算発表に合わせて、経営改善の一環として希望退職を告知する流れがあるため

「連休前に実施される傾向がある」という説は一体何だったのか?
それともここ数年で傾向が変わってきているのでしょうか?
謎が多いですね。

   

退職時期の傾向:3月と12月が多い

次に、「実際に退職した時期」を見てみましょう。
調査対象:希望退職を実施した68件(2021年10月〜2024年9月)

過去3年間で実施された希望退職の退職時期 n=86
  • 最も多かったのは3月退職(22件/25.6%)
  • 次いで多いのが12月退職(14件/16.3%)

さらに6月・9月といった四半期末に退職日を設定している例も多く、全体の約64%が期末に集中している結果に。

年末から年度末にかけては、次年度に向けた人員配置の見直しや会計処理、予算計画などが行われる時期です。
企業側としても、退職に合わせて人員配置や会計処理を整えやすい時期であり、計画的に動きやすいタイミングといえます。


また、12月・3月というのは社会的にも転職が多いシーズン。
「年が変わるタイミングで心機一転したい」「子どもの進学や引越しの都合に合わせたい」といった家族事情とも重なりやすく、求職者側にとっても都合がいい時期です。
求人も下半期から増えていく傾向にあるので、上半期に比べると比較的職を探しやすいメリットがあります。

募集スケジュールはどれくらい?

募集スケジュールと期間:多くは1か月以内

過去3年間の希望退職の募集開始~締め切りまでの期間
募集期間募集開始~退職日
平均値27.985.9
中央値2580
最長150273
最短230
過去3年間の希望退職の募集スケジュール

希望退職募集期間は企業によって異なるものの、一般的には数週間から数ヶ月にわたることが多いです。
2022年~2024年の希望退職の募集データを見てみると、募集期間は1か月以内が約73.7%です。

最短は2023年のタカキューで、募集期間2日で100人の募集に対して97人が応募しています。
逆に最長なのは2024年のリコーで、募集期間150日で1000人を募集しています。

募集期間が短い場合は、事前に条件を公示して個人面談済みの場合が多いです。
さすがに2日では決められませんからね。

   

公示から退職までのスケジュール

あまり募集開始から退職までが長くなると、退職希望者は現職に対するモチベーションも下がってしまい、社内の雰囲気が悪くなる可能性があります。
逆に短すぎると、業務の引継ぎがうまくいかない可能性が出てきます。

そこらへんのバランスを考えて、年度末に退社日を設定した企業は、年末に希望退職の公示 → 年明けから募集開始 → 面談 → 3月末に退職というスケジュールを取る場合が多いようです。

業種や企業規模による傾向

大手企業の状況

大手企業においては、希望退職者募集が近年増加しています。
東京商工リサーチの調査によると2024年上半期に早期・希望退職募集をした企業数は41社で、対象人員は7,104人と前年同期比3.5倍となっています。

オムロンや資生堂、リコーなどの有名企業が1,000人を超える退職希望者を募集したのは記憶に新しいです。
さらに東芝や住友化学、コニカミノルタも2024年度中にそれぞれ4,000人、4000人、2,400人規模の大規模人員削減を実施予定です。

このような大手企業は、リストラに伴うコスト削減や経営資源の最適化を目的として、希望退職者募集を実施します。

中小企業の状況

一方で、中小企業にとって希望退職の募集は慎重にならざるを得ません。
人件費削減は必要でも、退職金の支払い負担が大きく、体力的に厳しい企業も少なくありません。

しかしコロナ禍以降、多くの中小企業が経済的理由から早期退職や希望退職を募る状況に追い込まれています。

応募前に考えておきたいこと

経済的なメリットとデメリット

  • メリット:退職金の上乗せ、特別加算などで一時的にまとまった資金を得られる
  • デメリット:再就職先が見つからないリスク、社会保険・年金の自己負担が増える可能性

希望退職に応募する際には、経済的なメリットとデメリットを慎重に評価することが重要です。
長期的にみると、将来受け取る年金額が減るリスクや、社会保険の自己負担が増える可能性などもあります。

メンタル面での備えも大切

長年働いた会社を辞めることは、想像以上にストレスになります。
「これで良かったのか」と不安になる方も多いです。

そうしたときは、まず家族や信頼できる人に相談すること
そして、退職後の生活やキャリアの計画を立てておくことが大事です。

スキルアップや資格取得、生活のリズムを整えることも、前向きな気持ちにつながります。

  

まとめ:希望退職のタイミングを見極めよう

希望退職募集は、特に年末や長期休暇前に実施される傾向があります。
これは社員が家族と相談しやすいタイミングで、慎重に判断できる時期を提供するためです。

終身雇用制度の衰退や高齢者雇用安定法の改正により、希望退職制度がますます増えてきています。

企業にとっても、社員にとっても人生の大きな転機。
退職金の加算だけに惹かれるのではなく、「その後どうするか」まで考えたうえで判断しましょう。

もし、あなたが今後の働き方に不安を感じているなら、まずは「自分の市場価値を知る」ことが第一歩です。
不安を感じるのは、客観的な情報が少ないからこそ。

  • 希望勤務地に求人はどのくらいあるのか?
  • 自分の年齢・経歴で年収はどれくらい見込めるのか?

こういった「数字で見える情報」があるだけで、不安が少しずつ解消されていくはずです。

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