早期退職後、あえて非正規転職:ミドル世代が非正規になるメリットとデメリット

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早期退職後、あえて非正規転職:ミドル世代が非正規になるメリットとデメリット

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やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

希望退職や早期退職制度を導入する企業が増え、日本の終身雇用制度が崩れてきています。
そんななか、「あえて非正規転職」が注目を集めています。

ミドル世代、特に就職氷河期を経験した人にとって、非正規雇用というと悪いイメージを持つ場合も多いでしょう。
定年まで何十年とある若者の場合、正規雇用と非正規雇用で生涯賃金や定年後の厚生年金に大きな差が出ることは想像できます。
しかし、早期退職をしたミドル世代にとっては案外非正規雇用の方が合っているケースもあります

この記事では、早期退職後にあえて派遣やパートなど非正規で働くメリット・デメリット、そして「なぜ今、非正規を選ぶ人が増えているのか」を詳しく解説します。

「あえて非正規」を選ぶミドル世代の本音

ワークライフバランスを重視したい

ミドル世代は、就職氷河期を生き抜き、会社に忠誠を尽くしてきた人が多い世代です。
しかし最近は、若い世代が早めに転職したり、育休を取って私生活を重視するのが当たり前に。
それを見て、「自分はこんなに我慢して働く必要があるのか?」と立ち止まる人が増えています。


一生懸命働いた結果、家族との時間を犠牲にし、ほとんど休むことなく会社に尽くしてきた。
でもそれがいつまで続けられるか?
体力も衰えてきていますし、このまま働き続けたら定年後に何も趣味がなく、ボーっと過ごすことになるかも…

会社は在籍中は色々と保証してくれますが、退職後に病気になろうと破産しようと助けてはくれません。
それならば身体が動くうちにもっと自分のやりたいことをするべきでは?と考える人が徐々に増えてきています。

長年頑張ってきたからこそ、これからは「自分の人生」や「家族との時間」を大切にしたい。
そう考える人が、「非正規」という柔軟な働き方を選びはじめているのです。

  

ミドル世代の定年後の仕事への意識

ダイヤ高齢社会研究財団の2017年「40 代・50 代正社員の退職・引退に向けた意識に関する調査」を見てみましょう。

この調査では、「家庭(家族)・親族」「自分の趣味・楽しみ」「収入を伴う仕事」「地域活動・ボランティア」の4要素について、60 歳以降の生活においてそれぞれがどの程度の比重(時間ではなく意識の上での重要度)を占めることを希望するかを尋ねています。
50 代男女の場合は既婚・独身の区別なく、60代前半までは生活のうちの4割程度を仕事に充てたいと希望している人が多いです。

そんな中、60代以降は仕事の比重をゼロ、つまり全く働きたくない人もいます。
60代以降は仕事をしたくない人の割合は年齢が若いほど高く、40代前半男性の約23%が早期に仕事から解放されることを望んでいます。
この割合の高さは、中間管理職として働くストレスから一刻も早く解放されたいという心の表れかもしれません。

 

非正規雇用のメリット・デメリット

非正規雇用とは

非正規雇用とは、正社員以外の雇用形態(パート・アルバイト・派遣など)を指します。
現在、日本の労働者の約4割が非正規雇用。

とくに、柔軟な働き方を求める人や家庭との両立を重視する人にとっては、選びやすい選択肢となっています。

非正規雇用のメリットとデメリット

メリット

  • 柔軟な働き方や時間の融通が利く
  • 勤務地の融通が利く
  • プライベートと仕事のバランスがとりやすい
  • IT・金融などスキル次第で高報酬も狙える
  • 大企業で働くこともできる
  • 気兼ねなく辞められる

デメリット

  • 雇用が不安定
  • 社会保険の条件が正社員より厳しい
  • スキルが身に付きにくい
  • ボーナスがない、または少ない
  • リモート勤務に制限がある場合が多い
  • お盆や正月など、派遣先が休みだと実働日が減る = 給料が減る

非正規雇用の賃金や待遇は、正社員と比較して不利なケースが多いです。

しかし、一定のスキルや経験を持つ非正規労働者は、高い報酬を得る機会もあります。
金融業界や情報サービス業界、エンジニアなどでは、非正規雇用でも高待遇を受けられることがあります。

また、非正規雇用の場合は出社が基本という職種は多いです。
コロナ禍でも正社員はリモート勤務できても、派遣社員は出社しなければならないという企業は多くありました。
IT系などを除けば、まだまだ非正規雇用のリモート勤務は難しいのが現状です。

早期退職を選んだ理由と、その後の選択肢

早期退職の理由

早期退職の理由は人それぞれですが、多いのは以下のような理由です。

  • 長年の激務やストレスからの解放
  • 健康不安
  • 家族との時間を優先したい
  • 新しい人生を始めたい

早期定年退職制度や希望退職制度に応募した場合、通常の退職金にプラスして割増退職金も受け取れます。
企業と年齢によっては数千万円規模の退職金を受け取れるため、定年前に退職することへの経済的不安も薄まります。
長年の勤務による疲労感から解放されたい、趣味や新しいライフスタイルを追求したい人にとって、早期退職は良い選択肢になります。

早期退職後の選択肢

早期退職後の過ごし方としては、以下のような道があります。

  • 再就職(正社員/非正規)
  • 副業・フリーランス
  • 起業
  • 趣味に生きる
  • 家族との時間を優先


いくら多額の退職金をもらったとしても、退職後の数十年でただ食いつぶしていくのでは不安にもなります。

自分から起業するのは精神的にも金銭的にもかなりのパワーが必要です。
かといって再度フルタイムで働くのは年齢的にも体力的にも厳しい、そういう人があえて非正規雇用を選ぶ傾向にあります。
従来のフルタイム勤務に縛られず、自分らしい生き方を追求できることが、非正規雇用の大きな魅力と言えるでしょう。

非正規雇用でも社会保険に入れる?

政府・企業の対応

政府も企業も、非正規雇用の待遇改善に取り組んでいます。

  • 最低賃金の引き上げ
  • 同一労働同一賃金の推進
  • キャリアアップ制度の導入

大手企業では、非正規にも研修やキャリア形成支援を提供するところが増えてきています。
つまり、「非正規だからダメ」な時代ではなくなってきているのです。

社会保障の拡大

令和4年(2022年)10月からは、パートやアルバイトで働く方の社会保険の適用範囲が広がっています。

社会保険の適用範囲

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

社会保険に入ることで、厚生年金や健康保険が会社と折半になります。
ただし、収入が年収106万〜130万円未満の人は「手取りが減る」ため要注意

このラインを超えるなら、年収130万円以上を目指して働いた方がトータルではお得です。

まとめ:非正規は「妥協」ではなく「選択」

「非正規=不安定・負け組」と思われがちですが、ミドル世代にとっては「自分のペースで働ける自由な選択肢」にもなり得ます。
早期退職という節目に、自分にとっての働き方や人生のあり方を見つめ直してみてください。

早め早めに資産形成をしておけば、退職金と合わせて老後の生活資金にも余裕が出ます。
あえて非正規でゆるやかに働くという道も、豊かなセカンドライフにつながります。

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