早期退職後、あえて非正規転職:ミドル世代が非正規になるメリットとデメリット

転職関連

早期退職後、あえて非正規転職:ミドル世代が非正規になるメリットとデメリット

本ページはプロモーションが含まれています

終身雇用制度が崩れ、希望退職や早期退職制度が普及する現代。
長年会社に尽くしてきたミドル世代(40代・50代)が、退職後に「あえて非正規」という柔軟な働き方を選ぶケースが増えています。

特に就職氷河期を経験した人にとって、非正規雇用というと悪いイメージを持つ場合も多いでしょう。
しかし、早期退職をしたミドル世代にとっては案外非正規雇用の方が合っているケースもあります

この記事では、早期退職後のミドル世代が派遣やパートなどの非正規雇用を選ぶ本音の理由、それに伴うメリット・デメリット、そして社会保険の損得ラインを解説します。

「あえて非正規」を選ぶミドル世代の本音

ワークライフバランスを重視したい

ミドル世代は、就職氷河期を生き抜き、会社に忠誠を尽くしてきた人が多い世代です。
しかし最近は、若い世代が早めに転職したり、育休を取って私生活を重視するのが当たり前に。
それを見て、「自分はこんなに我慢して働く必要があるのか?」と立ち止まる人が増えています。


一生懸命働いた結果、家族との時間を犠牲にし、ほとんど休むことなく会社に尽くしてきた。
でもそれがいつまで続けられるか?
体力も衰えてきていますし、このまま働き続けたら定年後に何も趣味がなく、ボーっと過ごすことになるかも…

会社は在籍中は色々と保証してくれますが、退職後に病気になろうと破産しようと助けてはくれません。
それならば身体が動くうちにもっと自分のやりたいことをするべきでは?と考える人が徐々に増えてきています。

長年頑張ってきたからこそ、これからは「自分の人生」や「家族との時間」を大切にしたい。
そう考える人が、「非正規」という柔軟な働き方を選びはじめているのです。

  

ミドル世代の定年後の仕事への意識

ダイヤ高齢社会研究財団の2017年「40 代・50 代正社員の退職・引退に向けた意識に関する調査」を見てみましょう。

この調査では、「家庭(家族)・親族」「自分の趣味・楽しみ」「収入を伴う仕事」「地域活動・ボランティア」の4要素について、60 歳以降の生活においてそれぞれがどの程度の比重(時間ではなく意識の上での重要度)を占めることを希望するかを尋ねています。
50 代男女の場合は既婚・独身の区別なく、60代前半までは生活のうちの4割程度を仕事に充てたいと希望している人が多いです。


そんな中、60代以降は仕事の比重をゼロ、つまり全く働きたくない人もいます。
60代以降は仕事をしたくない人の割合は年齢が若いほど高く、40代前半男性の約23%が早期に仕事から解放されることを望んでいます。


この割合の高さは、中間管理職として働くストレスから一刻も早く解放されたいという心の表れかもしれません。

 

早期退職後に非正規で働くメリット・デメリット

非正規雇用とは

非正規雇用とは、正社員以外の雇用形態(パート・アルバイト・派遣など)を指します。
現在、日本の労働者の約4割が非正規雇用。

とくに、柔軟な働き方を求める人や家庭との両立を重視する人にとっては、選びやすい選択肢となっています。

非正規雇用のメリットとデメリット

非正規雇用の賃金や待遇は、正社員と比較して不利なケースが多いです。
しかし、早期退職金という経済的基盤があるミドル世代にとっては、デメリットが打ち消され、メリットが最大限に活かされます

メリット

  • 柔軟な働き方や時間の融通が利く
  • 勤務地の融通が利く
  • プライベートと仕事のバランスがとりやすい
  • IT・金融などスキル次第で高報酬も狙える
  • 大企業で働くこともできる
  • 気兼ねなく辞められる

デメリット

  • 雇用が不安定
  • 社会保険の条件が正社員より厳しい
  • スキルが身に付きにくい
  • ボーナスがない、または少ない
  • リモート勤務に制限がある場合が多い
  • お盆や正月など、派遣先が休みだと実働日が減る
     = 給料が減る

  

早期退職後の選択肢として「あえて非正規」はあり

早期退職後の過ごし方としては、以下のような道があります。

  • 再就職(正社員/非正規)
  • 副業・フリーランス
  • 起業
  • 趣味に生きる
  • 家族との時間を優先


いくら多額の退職金をもらったとしても、退職後の数十年でただ食いつぶしていくのでは不安にもなります。

自分から起業するのは精神的にも金銭的にもかなりのパワーが必要です。
かといって再度フルタイムで働くのは年齢的にも体力的にも厳しい、そういう人があえて非正規雇用を選ぶ傾向にあります。

経済的不安を解消しつつ、自分らしい生き方を追求できることが、非正規雇用の大きな魅力と言えるでしょう。

社会保険の知識:「年収130万円の壁」を意識する

非正規雇用に対する政府・企業の動き

政府も企業も、非正規雇用の待遇改善に取り組んでいます。

  • 最低賃金の引き上げ
  • 同一労働同一賃金の推進
  • キャリアアップ制度の導入

大手企業では、非正規にも研修やキャリア形成支援を提供するところが増えてきています。
つまり、「非正規だからダメ」な時代ではなくなってきているのです。

社会保険の適用拡大(2022年10月改正)

令和4年(2022年)10月からは、パートやアルバイトで働く方の社会保険の適用範囲が広がっています。

社会保険の適用範囲

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

社会保険に入ることで、厚生年金や健康保険が会社と折半になります。
ただし、収入が年収106万〜130万円未満の人は「手取りが減る」ため要注意

このラインを超えるなら、年収130万円以上を目指して働いた方がトータルではお得です。

まとめ:非正規は「妥協」ではなく「自由な選択」

「非正規=不安定・負け組」と思われがちですが、ミドル世代にとっては「自分のペースで働ける自由な選択肢」にもなり得ます。
早期退職という節目に、自分にとっての働き方や人生のあり方を見つめ直してみてください。

早め早めに資産形成をしておけば、退職金と合わせて老後の生活資金にも余裕が出ます。
あえて非正規でゆるやかに働くという道も、豊かなセカンドライフにつながります。

PR




📊 企業別で探せる!
\ 希望退職データベースはこちら! /

早期希望退職データベース


 筆者のリアル退職面談はこちら
 記事では書ききれなかった退職勧奨面談~退職までの感情の揺れ
  ▶ 『理系母の退職勧奨記録』を読む

 実際にもらった割増退職金の詳細はこちら
  ▶ 『39歳で早期退職した私の割増退職金と手取り額のリアル』



  • この記事を書いた人
  • 最新記事

やまのうえのたぬき

「希望退職制度」とは名ばかりの“事実上の肩たたき”。
それをどう受け止め、どう選択していくかは、自分次第。
今まさに悩んでいる誰かに届けられたら——そんな思いで書いています。

📌39歳で退職勧奨を受けた化学系エンジニア、グラフ大好き
📌ブログとnoteで「辞めた人」の目線から発信中

よく読まれている記事

【2025年】早期希望退職募集企業の一覧と募集条件まとめ 1

この記事では、2025年に早期希望退職を実施・発表した企業を一覧でまとめました。企業名ごとの募集条件や応募人数、割増退職金の情報もあわせて紹介しています。いまの会社に残るべきか悩んだときの判断材料にど ...

希望退職・早期退職:リストラを実施した企業、その後の業績はどうなる? 2

希望退職の実施は、企業の経営戦略上のリストラの一環として行われます。でも希望退職を実施した企業はその後どうなったか?経営改善されたのか?という視点のニュースはあまり出てきません。しかし、リストラの対象 ...

希望退職・退職勧奨を拒否!会社に残ったらどうなる?残留した社員のその後 3

希望退職や退職勧奨などの人員整理が実施されると、声がけをされた社員はもちろん、それ以外の社員もいろいろなことを考えてしまいます。 退職への声がけを拒否してのいいのか? もし拒否したらどうなるのか? い ...

-転職関連
-, , ,

PAGE TOP