早期退職制度を導入する企業が増える中、早期退職を機に起業を考える方も増加しています。
一歩を踏み出す勇気があれば、退職後に新たなビジネスを展開することで、個人の可能性を広げることができます。
この記事では、早期退職からの起業を検討する際のメリットやデメリット、成功のポイント、そして特にフランチャイズ加盟に焦点を当てた方法などについて詳しく解説していきます。
データで見る個人の起業
起業時の平均年齢は43.7歳
日本政策金融公庫の2023年度新規開業実態調査を基に解説します。
この調査によると、起業時の年齢が40歳代が37.8%、50歳代が20.2%、60歳以上が6.1%と、ミドル~シニア世代の起業が全体の64%となっています。
この10年近くは40歳以降の起業の比率が増加傾向にあります。
起業時の従業員は1人が最多 平均2.8人
起業時の従業員数は1人が44.9%で最多ですが、平均人数は2.8人となっています。
この人数には起業した本人も含まれるため、最初は本人または配偶者と始めるパターンが多いと考えられます。
1991年から行われている本調査の中で、起業時の人数が平均で3人以下となったのは2023年度が初めてです。
開業資金の中央値は550万円
開業資金が250万円未満が20.2%、250~500万円未満が23.6%で合わせて約44%となっています。
全体の平均値は1,027万円、中央値は550万円です。
先ほどの起業時の人数と合わせて、最近の起業傾向はこじんまりと始めるスモールビジネスが増えてきていることが推察されます。
早期退職後の起業はあり?
従業員の自己実現や新たなチャレンジを支援するため、早期退職制度は様々な形態で実施されています。
早期退職制度には、一定の条件を満たした従業員に対して給与や手当などの給付金が支給されるものや、再就職支援や起業支援のためのプログラムが提供されるものなど、様々な種類があります。
早期退職制度を利用して起業する場合、その準備やプロセスをきちんと理解しておくことが重要です。
早期退職後の起業には様々なメリットやデメリットが存在しますが、そのリスクとリターンを十分に理解した上で行動することが成功への近道となります。
起業のリスクとデメリット
早期退職後に起業のメリット
- 起業の資金を準備しやすい
- 体力や気力がある間に起業できる
- 定年がない
- 好きな仕事ができる
早期退職後に起業のデメリット
- 安定した収入を得られない可能性がある
- 将来の年金の額が減る
- 確定申告など会計の知識が必要
- 再就職が難しい
早期退職を利用して起業する際のメリットには、まず資金の面での利点が挙げられます。
通常の退職に比べ、大幅な退職金の割増があるため、起業に必要なお金を用意しやすいです。
また、体力や気力がまだ充実している間に新たな挑戦を始めることができるため、成功への可能性が高まります。
一方で、早期退職を利用して起業する際のデメリットも忘れてはなりません。
安定した収入を得られない可能性があることや、年金の金額が減る可能性があることなど、経済的なリスクが伴うことが挙げられます。
起業は成功が保証されているわけではないため、失敗した場合のリスクも考慮しておく必要があります。
早期退職後に起業して成功するためのポイント
退職して起業をしたあとに「やっぱり会社員に戻りたい」と思ったとしても、なかなか戻ることはできません。
特に起業に失敗し財産を全て使ってしまったり借金をしたりした場合、すぐにでも働きに出る必要があります。
しかし年齢を積み重ねている分、良い会社にすんなり再就職するのはかなり厳しくなるでしょう。
起業した際のリスクを少しでも減らすためには、起業前の入念な準備が必要です。
事業計画をしっかり立てる
特に重要なのは事業計画です。
事業の目的や理念、事業内容、商品やサービスの強み、売上の見込み、必要となる経費、想定される収益、資金調達計画などを文書として書き出してください。
これが事業を運営する上での指針となり、金融機関から融資を受ける際には事業計画書の提出が求められます。
知見のある分野を狙う
例えば、これまで技術者として働いてきたのであればその分野の技術コンサルタントになる。
広報の仕事をしていたならばwebライターや編集者になる。
仕事でなくても、趣味で盆栽をしていたなら海外向けに盆栽の輸出をしてもいいかもしれません。
先ほどの2023年度新規開業実態調査によりますと、「現在の事業に決めた理由」の上位は下記のようになっています。
・これまでの仕事の経験や技能を生かせるから ・・・43.9%
・身につけた資格や知識を生かせるから ・・・23.2%
・地域や社会が必要とする事業だから ・・・13.6%
全く知らない世界に飛び込んで事業を始めるのはリスクが大きすぎます。
仕事でも趣味でも、これまで携わってきてある程度わかっている分野での起業を目指しましょう。
最初はスモールビジネスから
できれば最初は自宅や賃貸の小部屋で始めれられるような小規模な事業の方がリスクは少ないです。
飲食店のような土地・建物・テーブルなどの什器など多くのものが必要となる事業は夢がありますが、個人でやるには失敗したときのリスクが大きいです。
筆者の近所では2019年冬に開業、直後からコロナ禍となって1年経たずに閉業したオシャレな居酒屋がありました。
個人で経営をしていくには実力だけじゃなく、社会情勢も含めた運の良し悪しも大きな影響を与えます。
できるだけこじんまりと始める。
順調だったら広い場所に移転する。2号店を作る。
リスクを取りすぎず堅実に事業を継続させていきましょう。
困ったときは専門家に相談する
起業について相談したいとき、無料で相談できる窓口があります。
身近ですぐ相談に行けるのは税務署と地域の商工会・商工会議所でしょう。
他の窓口は近くにあれば検討してみると良いでしょう。
- 税務署
- 各地の商工会議所・商工会
- 独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)
- よろず支援拠点
- ワンストップ相談窓口Plus One
- 日本政策金融公庫
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起業する方法を考える
起業する方法としては、主に個人で起業するか、フランチャイズに加盟するかの二つの選択肢が挙げられます。
個人で起業する場合は、自己資金や融資などを活用して独立することになります。
一方、フランチャイズに加盟する場合は、他社の事業ノウハウやブランド力を借りて起業することができます。
どちらの方法を選択するにしても、自己のスキルや資産などを考慮し慎重に計画を立てることが重要です。
個人で起業する
個人として起業して成功するためには、いくつかのポイントを抑えておくことが重要です。
まず、事業計画をしっかりと立てることが欠かせません。
自らのビジネスアイデアを明確にし、市場調査や競合分析を行うことで、成功への道筋をつけることができます。
また、スモールビジネスから始めることでリスクを最小限に抑え、少しずつ事業を拡大していくことが重要です。
困ったときには専門家やアドバイザーに相談することも、成功への近道となるでしょう。
- 事業計画を立てる
- 資金調達をする
- 国民年金、国民健康保険へ切り替える
- 開業届を提出する
- 青色申告承認申請書を提出する
- 許認可申請を行う
- 事業用の銀行口座を開設
- 事業用のクレジットカードを作る
- Webサイトや名刺などを準備する
フランチャイズに加盟して開業する場合
フランチャイズに加盟して起業する場合は、一定の流れを把握しておくことが重要です。
まず最初に、どの分野のフランチャイズ事業に参入するかを検討しましょう。
できれば自分が楽しく続けられそうな業種を選びましょう。
フランチャイズ開業に必要な資金は業種や土地の有無で大きく変わります。
例えばハウスクリーニングや幼児英語塾のような、自宅の一部を使って開業できる業種の場合は初期費用を低く抑えることができます。
一方でコンビニエンスストアや飲食店の場合は、ブランド力があるので集客は簡単ですが初期費用が高額になりがちです。
次に、加盟する本部がある程度決まったら、説明会に参加し、面接、契約と進んでいきます。
店舗選びや業務内容の研修などもありますので、準備期間は半年~1年はみておきましょう。
フランチャイズの開業時に確認すべきこと
- 業務内容が自分に合っているか
- 初期費用の目安
- 準備期間の目安
- 本部のサポート体制
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