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離職者だけじゃない!働きながら受けれるハローワークの転職支援

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ハローワークと聞くと、なんとなく「退職してから行く場所」と思っていませんか?
ハローワークは雇用保険(失業手当)の受給でお世話になる場所、職業訓練は離職者向けのもの、というイメージを持っている方も多いことでしょう。
でも実はハローワークが開催する職業訓練は在職中の方でも受講することができるのです。

この記事では、職業訓練の申し込み手順や種類、メリット、そして正社員として働きながら受講するコツなど、様々な視点から解説していきます。

ハローワークの支援制度

ハローワークは国が運営する公共職業安定所であり、失業保険の申請に関する業務や求職者への職業相談などを行う施設です。
求職者支援制度や教育訓練給付制度のほか、失業保険の給付や再就職手当の支給など、起業準備中の生活を支える制度もあります。

ハローワークの役割

ハローワークは憲法に定められた勤労権の保障のため、障害者や生活保護受給者の方など民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者や人手不足の中小零細企業を中心に、国が無償で支援を行う雇用のセーフティネットの中心的役割を担うもの。

厚生労働省 公共職業安定所(ハローワーク)の主な取り組みと実績

ハローワークは全国に544所あります。
施設にもよりますが、子育て中のお母さん向けの「マザーズハローワーク」、主に35歳未満で正社員雇用を目指す方向けの「わかもの支援コーナー」、高齢者向けの「生涯現役窓口」など、専門の支援窓口のあるハローワークもあります。

ハローワーク所在地情報 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/location_list.html

ハローワークの求職者向けサービス

ハローワークでは失業給付の申請に関する業務以外にも、様々な就職活動支援サービスがあります。

  1. 就職活動の進め方の相談
    履歴書をはじめとした応募書類の作り方や面接の受け方など、プロの職員がアドバイスしてくれます。
  2. キャリアコンサルティング
    どんな仕事を選ぶべきか迷っている方向けに、興味・関心や職業経験の振り返りなど、職業選択に関するのアドバイスを行っています。
  3. 職業紹介
    窓口で一緒に探すことはもちろん、ハローワークインターネットサービスで全国の求人検索もできます。
  4. 就職支援セミナーの開催
    ビジネスマナーや業界研究など様々なセミナーが開催されています。
  5. 職業訓練
    希望する仕事に就くために必要なスキルや知識を身につけたい方に、受講料無料の公的な職業訓練(ハロートレーニング)の受講の案内をしています。

 

雇用保険の手続き

ハローワークでは雇用保険の各種申請ができます。
雇用継続給付と育児休業給付は基本的に事業主が申請します。

  1. 基本手当(いわゆる失業給付、失業手当)
    雇用保険の被保険者が離職した後、失業中の生活を心配しないで就職活動が行えるように支給される
  2. 就職促進給付
    再就職手当、就業促進定着手当、就業手当など、早期の再就職を支援する制度
  3. 教育訓練給付
    中長期的なキャリア形成を支援するため、教育訓練受講に支払った費用の一部を支給
  4. 雇用継続給付
    高年齢雇用継続給付、介護休業給付など
  5. 育児休業給付

 

ハローワークの在職者向けキャリア形成支援

在職者向け支援の内訳

ハローワークでは求職者のスキルアップのために、資格取得や民間の教育訓練機関メニューの受講などに対して支援を行っています。
在職中の方でも対象となるものが下記制度です。

スキルアップ

  1. 教育訓練給付金
  2. ハロートレーニング(在職者訓練)
  3. 求職者支援制度

 

キャリアの見直し

  1. キャリア形成・学び直し支援センター
  2. ジョブ・カード
  3. job tag

 

教育訓練給付金

・指定の教育訓練を修了した場合、訓練受講費用の20~70%※1を支給
・対象講座は約1.4万件
・在職中または離職後1年以内の方が対象
※2

※1:年間最大56万円まで。最大額を受給するには制約あり
※2:雇用保険に加入してから1~3年以上経過している必要あり

教育訓練講座の種類

昼間開催のものだけでなく、夜間開催、土日開催、通信教育、e-ランニングと、受講スタイルの選択ができるので、仕事が終わった後や休日に自分のペースで受講することもできます。
需要が多そうなものでは、CAD関連講座やITパスポート、電気工事士や危険物取扱者、歯科衛生士や介護関連などの講座があります。
特に専門性が高い講座に関しては大学や専門学校に通学して履修することもできます。

対象講座一覧はコチラ↓
教育訓練講座検索システム https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/

一般教育訓練給付金の場合の申請方法

一般教育訓練給付金の場合は、受講修了後に居住地のハローワークに対して、下記の書類を提出します。

  1. 教育訓練給付金支給申請書
  2. 教育訓練修了証明書
  3. 領収書
  4. 本人・住所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
  5. 返還金明細書
  6. 払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
  7. 教育訓練経費等確認書

 

専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金の申請

専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金に関しては、申請方法が複雑です。
訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングにて就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載したジョブ・カードの交付を受けたあと、下記の書類をハローワークへ提出します。
申請手続きは受講開始日の1か月前までに行う必要があります(支給を受けるための支給申請は、別途手続が必要)。

  1. 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
  2. 上記のジョブ・カード(訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のもの)
  3. 本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
  4. 写真2枚(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm) ※ マイナンバーカード提示で省略可
  5. 払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
  6. 専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告

ハロートレーニング(在職者訓練)

在職者向けのハロートレーニングは、主に中小企業に勤める方々を対象としています。
訓練期間は2~5日で、企業の生産現場が抱える課題解決を目的としています。
内容としては、生産性の向上や業務改善、新たな製品づくりに必要な専門知識及び技能・技術の習得になります。

国(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)が実施するものと、都道府県で実施するものがあります。
都道府県の場合は、地域のニーズを踏まえて溶接訓練やCADなどの訓練をします。

各都道府県で実施している職業訓練の検索はコチラ↓
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/kensaku/GECA150010.do?action=initDisp&screenId=GECA150010

求職者支援制度

求職者支援制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講できる制度です。

給付金を受けて訓練を受講できる人

離職者雇用保険の適用がなかった離職者
フリーランス・自営業を廃業した方雇用保険の受給が終了した方など
在職者一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職を目指す方など

給付金は出ないが無料で訓練の受講ができる人

離職者親や配偶者と同居していて一定の世帯収入がある方など(親と同居している学卒未就職の方など)
在職者働いていて一定の収入のある方など(フリーランスで働きながら、正社員への転職を目指す方など)

 

主な訓練コース

基礎ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など
ITWEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など
営業・販売・事務OA経理事務科、営業販売科など
医療事務医療・介護事務科、調剤事務科など
介護福祉介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など
デザイン広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など
その他3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など

 

支給要件

月10万円支給されるとあって、支給要件は厳しいです。
共働きの方、正社員の方が働きながら職業訓練を受ける場合は給付金は期待しないでおきましょう。

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 訓練実施日全てに出席する
  • 世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
  • 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない
  • 過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない

厚生労働省 求職者支援制度のご案内
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html

キャリアの形成・学びなおし支援センター

今後の仕事の方向性などについて専門家(キャリアコンサルタント)に無料で相談ができます。
1回60分(予約制)Web相談対応なので、働いている方でも利用しやすいです。
下記サイトの「キャリアコンサルティングに申し込む」ボタンから予約できます。
キャリア形成・リスキリング推進事業(リスキル) 【厚生労働省委託事業】 (mhlw.go.jp)

キャリアコンサルティングトップ画面

トップ画面のキャリアコンサルティング申し込みボタン → 個人向けキャリアコンサルティング → 対面またはオンライン面談の選択と進んでいきます。
オンライン面談の場合、月~日曜の9:00から18:30まで面談枠があるので、自分の都合に合わせて申し込みできます。
とはいえ、土日と平日でも17:00以降の枠は早めに埋まりやすいので、余裕をもって予約してください。

キャリアコンサルティングweb面談の予約枠

 

ジョブ・カード

ジョブ・カードは今後のキャリアプランをイメージしやすくするためのツールです。
これまでやってきたこと、これからやりたいこと、大事にしたい価値観を整理することで、自分の強みや弱みを知ることができます。
就活で行った自己分析の進化版みたいなものです。

下記サイトから自分で作成することもできますし、キャリアコンサルティングの際に作成することもできます。
マイジョブ・カード https://www.job-card.mhlw.go.jp/

job tag

job tagは自分にどのような職が向いているか?を簡単に検査できるツールです。
自分に向いている仕事に対し、どのような職業なのか、どんなスキルが必要かも提示してくれます。
現在の職に悩みがある人、転職先にどんな業種を選べばいいかわからない方は、ひとつ前のジョブ・カードと合わせてぜひやってみてください。
job tag https://shigoto.mhlw.go.jp/User/

まとめ

転職活動というと、つい転職エージェントや転職情報サイトばかり調べがちです。
でも実はハローワークでもキャリアコンサルティングをはじめとした在職中の転職支援を受けることができます。
ハローワークでの転職支援の強みは無料だったり、支援金の給付があることです。
さらに厚生労働省の管轄である安心感も大事です。
転職したいけど、「転職エージェントと面談をしたら断われないかも」「とりあえず相談だけしたい」という場合は、ハローワークに行ってみましょう。

 

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